9時を経過した時、高橋さんがリビングの時計を見ながら
高橋「あ!私はそろそろ妻が迎えに来る時間ですね。社長、もしよろしければ、駅前のビジネスホテルまでお送りしますが。」
吉田「いや、私はホテルにチェックインしてるから大丈夫だよ。まだKさんの奥さんと話もしたいしね。」
高橋「かしこまりました。」
そういうと高橋さんは携帯で奥さんに電話をした。
電話を終えると高橋さんは
高橋「もうすぐ家の前に着くそうです。ちょっと帰り支度しますね。」
それを聞いて妻はハンガーにかけておいた高橋さんのスーツを手に取った。
高橋「あ。奥様すみません。」
妻「いえいえ。こちらこそ大したおもてなしも出来ず申し訳ありません。」
そう言いながら、妻は高橋さんにスーツの上着を着せて、鞄を渡す。
その時、家のインターホンが鳴った。
高橋さんの奥さんが迎えにきたようだ。
高橋「丁度いい機会なので、Kさんにうちの妻紹介しますよ。」
私「あ、そうですね。一度ご挨拶したいと思ってました。」
高橋「では、呼んできますね。」
私「お願いします。」
そう言うと、高橋さんは妻と共に玄関に行って奥さんに中に入るよう促した。
「おじゃましまーす。わ、リビング広い。」
高橋さんの奥さんがリビングに入ってきた。
吉田「おお!梢さんじゃないか!久しぶりだね。」
梢「吉田社長、ご無沙汰しております。」
少しだけ、アニメ声な感じの声で高橋さんの奥さんは吉田社長に挨拶をした。
高橋さんの奥さんは、妻から聞いたところだと、妻よりも5歳年上だと聞いていたので、年齢は恐らく39か40だろう。
髪はセミロングの長さで薄く茶色に染めていて、少しパーマがかかっており、見た目も30代前半くらいに見えるどちらかというと童顔の、スポーツをやっていそうな快活な印象を受けた。
胸の膨らみは、そこまで大きい印象はなかった。間違いなく、妻の方が膨らみを感じられる形だ。
梢「三郎君のお父さんですね。はじめまして。高橋まりんの母で、高橋梢と言います。」
幼稚園で何回か顔は見たことはあるが、こうして話すのは初めてだ。
私「はじめまして。Kといいます。いつも妻がお世話になっております。」
梢「いえいえ!奥様には幼稚園のこと色々教えてもらってて、こちらこそいつもお世話になってます。」
吉田「梢さん、どう?一杯。」
梢「社長。今日私車で迎えにきてるんですから(笑)」
吉田「ああ。そうだった、そうだった(笑)」
梢「また機会ある時にしましょ(笑)」
吉田「何なら明日はどうかな?」
梢「えー。明日ですかぁ?」
高橋さんの顔が一瞬だけこわばっていた。
梢「でも、社長もお忙しいでしょうから(笑)」
吉田「明日はゆっくりチェックアウトだから時間はあるよ。」
梢「そうなんですかぁ。う~ん。実は…」
そう言いながら梢さんは吉田社長に耳打ちした。
梢「昨日から生理きちゃったんです。だから、また今度。」
耳を澄まして聞いていたので、私はその囁きを何とか聞き取れた。
吉田「ああ、そうか。なら仕方ないな(笑)」
梢「ね(笑)じゃあ、子供が車で寝てるんで今日はこれで。」
吉田「ああ。また今度必ず。」
梢「楽しみにしてます(笑)」
高橋「では、社長私はこれで。」
吉田「ああ、お疲れさん。」
「ありがとうございます。では、社長、私はここで先に失礼させていただきます。」
吉田「ああ、お疲れさん。」
私「玄関まで見送ります。」
高橋「あ、大丈夫ですよ。」
私「いえ、そういう訳には。あ、では妻に見送らせますね。」
そう言って私は、玄関で待機していた妻に高橋さん夫妻を見送るように伝えたところ、妻は既に了承済みかのようにダウンジャケットを着始めていた。
高橋「ありがとうございます。」
実は、これは事前に高橋さんと話し合っていた作戦の一つだった。
高橋さんの奥さんが迎えに来たところで、高橋さんの奥さんから妻に吉田社長のことについて話をする算段になっている。
吉田社長は大の女好きで特に人妻が好きであること。
下着が見えるような服装が好きなこと。
そして、何より体を吉田社長に預けることで、助けられた男が存在することを。
高橋さんは、三回程奥さんを吉田社長に貸し出したことで今のポジションを手にしたと話していた。
妻も、幼稚園のママ友の話であるならば、耳を傾けるだろう、という作戦だった。
私は、高橋さんをリビングで別れを告げて席に戻る。
玄関からは、高橋さん夫妻と共に妻が外へ出ていった音が聞こえてきた。
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