バスタオルが社長が使ったであろうタオルを除いて、一つしかなかったので、お互いタオルを交代で使いながら体を拭いて、ガウンを着ようとしたところ、ガウンも一着しかなかった。
私「んー。梢さん着ていいよ。」
梢「いやいや、Yさん着ていいから。」
私「私どうせ脱ぐんだろうし。」
梢「お互い様じゃない。」
そうして押し問答をしていると、脱衣場の扉が開いた。
吉田「ガウンならフロントに電話して追加用意させたぞ。」
と言って、化粧台にもう一着ガウンを置いて、再び扉を閉めてベッドルームへ戻った。
私は化粧台に置かれたガウンを着ると、梢さんはドライヤーで髪を乾かし始めた。
梢「そういうところは流石よね。あの人。」
私「うん。そうなのかな。」
梢「まぁ、仮にも会社の社長だし、外に出れば中々のやり手とは聞いてるけど。」
私「まぁ、別の意味でも、やり手だけどね。」
梢「うまい!(笑)」
梢さんがドライヤーを置いたので、私達はベッドルームに戻る。
吉田社長はソファーに座りながら、持参したタブレットを見ながら、ルームサービスのホットサンドを食べていた。
テーブルには、私達二人の分が一緒に置かれていた。
吉田「君達の分も頼んでおいたよ。遠慮しないで食べてくれ。」
梢さんは、部屋に置いてあったドリップコーヒーを手にしたので、私は冷蔵庫に入っているサービス用の水を電気ケトルに入れてお湯を沸かした。
梢さんが3つコーヒーカップを用意して、ドリップコーヒーをセットしてくれていたので、私は沸き上がったお湯を注いだ。
梢さんはコーヒーフレッシュを一つだけ混ぜたものを、社長の前に持っていった。
吉田「あぁ。悪いね。ありがとう。」
タブレットを真剣に見ながら画面をスライドさせていく今の吉田社長は、確かに仕事の出来そうなイメージだし、とても60近いとは思えない、ビジネスマンだった。
きっと、こんな関係じゃなかったら、純粋にカッコイイと思えたんだろう。
私は梢さんの分と自分のコーヒーをテーブルに置いて、丸い形をした椅子を2つ、社長の座るソファーに対してテーブルを挟み対面になるように並べた。
梢さんと私は椅子に座ると、お互いに「社長、いただきます。」と言ってホットサンドを口に運びはじめた。
ラブホテルのルームサービスを初めて食べたが、普通に美味しかった。
ふと部屋の時計を見ると、時間は午後1時半になっていた。
そして、ここから吉田社長の私への攻勢が始まった。
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