私は梢さんの口から自分の口を離した。
この光景を冷静に考えると、何だかおかしくなってしまい、自然に笑いが出てしまった。
私「おばさん同士がキスって(笑)」
梢「そっちがしてきたんでしょ(笑)」
私「そうなんだけどさ(笑)」
私も浴槽で全身を伸ばした。
私「さて!次は私の番かぁ。」
梢「そうだね……無理しないでね。」
私「ん?大丈夫。私の体も割りきったみたいだから。」
梢「割りきる?」
私「いや、最初のうちはさ、なんていうか、やっぱり悲しいっていうのかなぁ、そんな感情で抱かれてたんだと思う。」
梢「うん。そりゃ、絶対そうだよね。」
私「でも、これは体に快感を味あわせるためのセックスという名の遊び?だと思えばいいのかな、なんて思ったら、あまり苦しくないんじゃないか、って。」
梢「う~ん。まぁ、似たようなもんなのかなぁ。確かに私の場合さ、付き合ってた人以外の男の人としたことあるんだけど、それって、ただ単にお互い気持ちよくなるためだけに、一晩するだけだったから。」
私「あ、それそれ。そんな感じ。実はさ…私去年の夏、1週間だけ不倫したことあるの。パート先の責任者の人と。」
梢「えー!?意外!その話興味あるなぁ。」
私「大した話じゃないから(笑)」
梢「いやいや、大した話じゃない。聞かせてよー。」
私「えー?ご主人にも絶対話さない?」
梢「当たり前じゃん。そもそも旦那とママ友がどうした、とか話さないし。二人だけの秘密にするよ。」
私「う~ん。まぁ、梢さんとはこんな関係になっちゃったし、じゃあ、ちょっとだけだよ。」
私は去年の夏に大和さんと過ごした1週間を話した。
事務所で初めて体を許したこと。
翌日山登りをした後にキャンピングカーで初めて最後までセックスをした時のこと。
ホテルで初めてオナニーをしたこと。
ハプニングバーに行って、遥香さんという女性に責められた時のこと。
一通り話すと、黙って聞いていた梢さんは口を開いた。
梢「へぇ~!凄いハードな1週間だね。ホント意外。Yさんの印象からしたら絶対しなさそうなことばっかりじゃない。」
私「うん。でも、その大和さんっていう人とセックスして初めて逝ったりして、女の快感を知った、て感じかなぁ。」
梢「そうなんだ。Yさん、その大和さんって人のこと本気で愛してたんだね。」
私「う~ん……。そう……だね。うん。確かに好きだった。だから、1週間って決めて、その期間は私も女として一生懸命大和さんに応えてたかな。」
梢「それで女としての悦びを知って、一つ大人になった、と。」
私「うん。それは間違いないかな。じゃなきゃ、私今ここに絶対いないと思う。」
梢「だよね。でも、旦那さん、知ったらビックリしちゃいそう(笑)」
私「主人には絶対言えない(笑)あの人、私のこと好きすぎて変なこと言うし(笑)」
梢「変なこと?」
私「寝取られ?的な性癖。もしかしたら、吉田社長としてるのも、実はあの人にとっては、願ったり叶ったりだったりして(笑)」
梢「あー、それ(笑)分かんないなぁ(笑)でも、旦那さん、本当にYさんのこと愛してるの分かるでしょ?」
私「うん。分かる。」
梢「それに、Yさんだって、旦那さんのこと、本当に愛してるよ。」
私「それはどうかなぁ(笑)」
梢「絶対そう(笑)じゃなきゃ、その大和さんって人と不倫した時に、旦那さんと別れてるはずだもん。」
私「いや、子供がいるから。」
梢「それだけじゃなくてさ。金曜日に吉田社長が、私に旦那さんとするように、って言った時、Yさん本気の顔で、主人は私のものだー、って言ってたでしょ?あれ、なかなか言えるセリフじゃないよ?」
私「うーん。そうなのかなぁ。」
梢「あれ?じゃあ、私が旦那さんとしちゃっていいのかな?(笑)」
私「それはダメ(笑)そもそも、主人じゃ梢さんの相手にならない(笑)」
梢「そこまで言ったら可哀想だよ(笑)旦那さんとエッチしてるんでしょ?」
私「……うん。私は気持ちいいし、嫌いじゃないよ。主人とエッチするの。」
梢「またひねくれた言い方(笑)素直に愛してる、って言えばいいのに。」
私「言えない性格だからしょうがない(笑)」
梢「Yさんの嫌いじゃない、は大好きって意味なんでしょ?(笑)」
私「もう、やめてよー(笑)」
梢「じゃなきゃ、こんなこと出来ないよ。」
私「…………うん。子供もそうだけど、Kのこと助けられるなら、頑張れるよ。いつも、愛情の一方通行じゃ悪いしね。」
梢「そうだね。私も旦那のために頑張ろう。」
私「梢さん、十分すぎるくらい頑張ってるよ。」
梢「そうなのかな。さて!そろそろ出る?」
私「うん。」
梢「次は、Yさん、多分沢山逝かされることになるだろうけど、頑張ってね。」
私「大丈夫。梢さんもいるし。ね?」
梢「うん。私もYさんのこと次はきちんと最後まで責めるから。」
そう言いながら、私達は二人揃って浴室から出たのであった。
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