高橋さんと話し合った結果、まずは、吉田社長を自宅で接待する手筈を整えてほしいとのことだった。
私は家に帰るなり、妻に切り出した。
私「あのさ。ちょっとお願いがあるんだけどさ。」
妻「ん?なぁに?」
私「今度の金曜日さ、今やってる仕事の、取引先の社長を今度自宅に招いて飲みたいと思うんだ。」
妻「え?突然だね?どうしてうちなの?」
私「ほら。子供が幼稚園同じの高橋さんいるでしょ?その人から提案があってさ。」
妻「あー。高橋まりんちゃんのお父さんね。そっか、今の仕事高橋さんのところが取引先なんだったね。」
私「ああ。それで社長がぜひ奥さんも一緒に、って言ってるみたいで。」
妻「えー。私スナックのママじゃないんだけど(笑)」
私「分かってるよ。ただ、今相手の社長の機嫌を損ねるとやばいんだよ……。」
妻「……そっか。分かった。うちのお母さんに金曜日子供預かってもらえるか聞いてみるよ。」
妻の実家は私の実家よりも近く、うちから車で一時間ちょっとくらいの場所にある。
なので、緊急時には義母が子供の面倒を見てくれることがよくある。
妻は義母に電話をした後、私に
妻「お母さん、預かってくれるって。だから、金曜日は一郎が小学校から帰り次第、子供預けてくるね。」
私「ありがとう。お義母さんにも、申し訳ありません、って伝えておいて。」
妻「分かった。」
私は妻の対応に頭が上がらなかった。
そして、心の中で謝罪した。
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