ちょっとすると、部屋着のスウェットで髪を縛った亜希先輩が戻ってきた。
気を利かせて、手短に入浴を済ませたらしかった。
俺の隣に座った。
亜希先輩は「…怒ってる?」と聞いてきた。
その時にちょっと涙が出た。
俺は下を向いていた。下を向きながら「…どうしてもダメですか?」と聞いた。
亜希先輩は「うん…ごめん…」と短く言った。
そのあと、亜希先輩は隣で何かを話していた。
だけど、俺はほとんど聞いてなかったし、良く覚えて無い。
たぶん「K君は、優しいし」とか慰めみたいな事だったと思う。
俺は顔を上げて「もう大丈夫ですよ」と言った。
ティッシュをもらい鼻をかんだ。
亜希先輩は「ねぇ、裸で寒くないの?」と聞いてきた。
俺はずっと全裸だった。
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