(覗き見)
その日、浴室の戸が少しだけ開いていて中からシャワーの水音が
聞こえていた。蒸し暑い日だったから、浴室の換気を良くするために
わざと開けていたのかもしれない。マリコが中でシャワーを浴びているのに
違いなかった。父親は今晩仕事で帰宅が遅くなると言っていたから、
この時間に家にいるのは翔太とマリコの二人だけだったからだ。
翔太は足音を忍ばせて浴室の戸に近づいた。脈拍が早くなるのがわかった。
2メートルほど離れた場所から浴室をのぞき込もうと前かがみになった。
洗濯カゴの中にマリコの黒いショーツが小さく丸めて置かれていた。
戸の隙間からマリコの後ろ姿が見えた。ステンレス製の丸いシャワー・ノズルの
無数の穴から勢いよく出た湯が、マリコの肌にあたって大粒の水滴に
なってからだの上を流れ落ちていた。水を弾く若い肌は少しのたるみもなく、
肩から背中へのフォルムは腰のくびれへと続き、引き締まった豊かなヒップライン
はすらりと伸びた両脚へと続いていた。その上を無数の水滴が走り落ちてゆく。
シャワーを止め、手に泡状のボディーソープを取ると、マリコはからだにそれを塗り始めた。
片手を挙げ脇の下の白くて汗の匂いのし易い部分にソープを塗った。
翔太はマリコの汗の匂いが好きだった。特にマリコのお気に入りの香水と汗の匂いが
ミックスされると、その甘い匂いだけで勃起しそうだった。
次に胸にソープを塗った。乳房の弾力がその震える動きで触れずとも翔太には分かった。
形の良い乳房の先端には乳首が気高く上を向いていた。
お腹に下りた手はやがて股間の割れ目へと伸びて、そこを何度か擦るように
洗っていた。マリコの股間は無毛だった。その奥には翔太にとって未知の暗がりがあって、
許された者だけが味わえる秘密の泉があるはずだった。
すらりと伸びた両脚に交互にソープを塗るともう一度シャワーのコックを捻った。
今まで丹念に塗られたソープの泡は一瞬にして流れ落ちて、その下から
つややかなマリコの肌が輝きをもって現れた。
その時、翔太の足元で何かが倒れた。シャンプーのボトルが置いてあったのを翔太が足で倒したのだ。
物音でマリコが翔太の方を見た。覗き見に気付いて驚いたマリコは浴室の戸をバタンと閉めた。
見つかった翔太はひどく打ちひしがれた気分だった。
ぐったりと疲れた翔太は自分の部屋に戻って、ベッドのうえにうずくまって深いため息を何度もつくと
そのまま眠ってしまった。
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