翔太の心には複雑な感情が芽生えていた。翔太は心の中でマリコを女として独り占めしたい
という感情を持ち始めていた。しかし、それは絶対不可能なことであり、叶わぬこと
なのだということも分かっていた。だったらいっそ皆でマリコを汚して、誰のものでもない女に
貶めてしまえば、翔太は安心してマリコと同じ屋根の下で生活していけそうな気がしていたのだ。
父親のものでもなければ翔太のものでもない、無論、山本や森田のものにもならない。
それは美術館の絵画のように、誰のものでもないが誰でも鑑賞する事のできる芸術作品のような
存在なら、安心していられると翔太は思ったのだった。
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