電車がホームについて扉が開かれると、降りる客が一斉に扉の方に向かっていった。私もその波に乗り遅れないように電車から降りた。ホームにある階段を降りて改札口に向かっていった。改札口を出て家路に向かおうとした時、不意に後ろから声をかけられた。
「すみません。」
私が振り返るとそこには早織の姿があった。
「えっ?なんで?えっ?」
完全に私はテンパりました。それほど酔っているとも思えなかったが、この状況を瞬時に理解出来るほどの頭脳は持ち合わせていなかった。
「高木さんが心配なので追いかけてきちゃった。えへっ。」
「えっ?なんで?」
「えーーっ、だって奥さんと喧嘩してるんでしょ?それにセックスレスって…」
大衆の面前で大きな声で喋っている早織の口を慌てて手で押さえて喋りかけの言葉を遮った。
「変な誤解受けるじゃないか?それにここは地元だしご近所さんに見られると困るじゃないか。」
「えーーっ、私は別にそれでもいいですけどぉ?」
早織の小悪魔のような発言に私は翻弄されていました。私は早織を連れてもう一度電車に乗ってこの場を離れることにした。
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