背中を向けていびきをかいて寝ている妻の背中にそっと手のひらを当てました。自分の意思で妻の身体に触れたのはいつ以来だろうか?口を開くとお互いのアラを探しては蔑みあい、罵り合い、夫婦としては完全に関係が終わっているにもかかわらず、別れることすらできない夫婦関係。それでも、何故か一緒にいてくれる妻には感謝をしているが、これで本当に良かったのかと思うこともしばしばあった。
だが、今こうして寝ている妻の背中に触れてみると出会った当時の感覚が蘇ってきた。あの頃は二人でいる時間がどれほど嬉しかったのか?会えない時間がどれほど寂しかったのか?一体どこで歯車が噛み合わなくなったのか?そんなことを思いながら妻の背中を手のひらでなぞっていった。
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