どこを見ても真っ青な綺麗な青空が広がる教会で私たちは結婚式をあげた。歩くことは出来なくなったが、車椅子を流暢に操り移動するゆきの横を私は歩いていった。
「ねぇ、ともひささん?なんで私たちは出会ったのかなぁ?」
「そうだね。神様だけが知っているのかもしれないな。」
「あの時、ともひささんとチャットをしなければ、こんなことにもならなかったんだよねぇ。なんか人生ってどうなるのかわからないものだね。」
空を見上げながら呟くゆきを見て私は愛おしく感じた。私はゆきの顔を覗き込むようにしてキスを交わした。それは不倫の時に感じていたキスとは異なり、真に愛を交わすお互いの心を通わせる濃厚なキスとなった…
程なくして、私とゆきの間に子どもが出来た。仕事を辞めた私は四六時中愛するゆきとともに過ごした。ゆきと一緒に過ごすだけで私は幸せを感じていた。
「もうちょっとだよ。頑張れっ。」
「オギャー」
初めて手にした赤ちゃんはゆきと同じぐらい愛おしかった。ゆきの連れ子たちとも正式な血縁関係となり、大家族となった。子どもたちも毎日笑顔で過ごすようになってきた。
この壮大な大地がまるで私たち家族を優しく温かく包み込むように見守ってくれているのであろう。そう思わざるを得ないほど、私は幸せを感じながら生活を送ることが出来るようになった。
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