私は頭の中に色々な考えが巡っていった。
私の会社のデスクを漁ってSDカードを盗み取った人物。見知らぬ携帯番号の相手。そして妻の不倫相手であるあきら。そして数年前の偽警察官。そして強姦魔…。
これらが一つに重なり合い、その人物こそが目の前にいる男だとはっきりと認識した。
この男は昔から顔を覚える記憶だけは著しく低かった。私のことを何度も田中と間違えたりしていた。だからこそ、偽警察官として妻の顔を見ていても、人妻なんとかクラブで妻の姿を見てもすぐに気づかなかった。
絡み合っていた全ての紐がスルスルっと解けていき1本の線となって繋がっていった。
「なぁ自首しろよ。あの時の強姦魔はお前だろ?罪を償って綺麗になってから、俺の元妻をどうしてもらっても構わないから。せめてもの願いだ。」
「何を偉そうに言っている。俺の人生だ。お前に指図なんかされたくない。」
私は彼に対して怒りに震え拳を握りしめていた。
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