「私はお前に何一つ勝てなかったぞ。成績にスポーツに何一つ優越感に浸ることなどなかった。私はお前を羨ましく思い嫉妬すら感じていた。だが、そんなお前が一体私の何に劣等感を抱いているのだ?」
「お前の顔だよ。俺の顔は誰が見ても男前とは言い難い。だが、お前はどうだ?昔から女にはモテていただろう?俺はそれが羨ましかった。子どもなんて勉強が出来たところでやっぱり人気のある奴は顔がいい奴だっただろ?」
私は自分の顔に自信を持っていたことなど一度もなかった。だが、笑顔だけは絶やさないように心がけていたつもりだった。そのお陰なのか、学生時代の友達は男友達よりも女友達の方が多かった気がする。だが、そこまでの関係だった。性の対象として女を見ることは出来なかった。いざセックスをしようと思えば緊張からか挿入までにも至らなかった。そんな私が本当の意味でセックスを経験したのが妻だった。だからこそ、妻を愛するに値するとさえ思っていた。
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