父を恨む気など全くなかった。あんな美人な妻と何度もセックスが出来たことは、むしろ父に感謝しなければならないと思ったほどだった。
私は父とタクシーで街中をドライブすると、あるところで運転手に「この先の角で降ろしてくれ。」と告げた。
私がタクシーから降りると見知らぬ家の前に降り立った。
「ここが俺とあいつが嫁に内緒で暮らしていた家だ。」
そこはあまりにもみすぼらしいマンションだった。こんなところで妻と父が身体を求めあっていたのかと思うと、なんだか憐れみすら感じてしまうほどの場所だった。
「あいつと出会ったのは今俺たちが立っているこの場所だった。当時20歳だったあいつは、財布をスリにすられて半泣き状態になっていた。行き交う人はあいつを見ても無視して素通りをしていったが、俺は何故かあいつを見過ごすことが出来なかった。それがあいつとの出会いだった。俺は財布から1万円札を10枚ほどあいつに渡すとあいつは何度も何度もお礼を言って頭を下げた、あいつはぜっにお金を返すと言って、お互いの連絡先を交換した。それがあいつとの始まりだった。俺たちは親子ほど歳も離れていたので、あいつが金に困った時に手助けとして晩御飯をご馳走したりするような仲になっていた。そして、男女の関係を持つにはさほど時間がかからなかった。」
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