従業員が気だるそうにカウンターまで来た。
「何のよう?」
彼女はぶっきらぼうに私にそう言ってきた。その女は私たちがここのホテルに入った時に対応してくれた女だった。
「先程403を使用していたものだが、妻を置いて買い出しに行っていたのだが部屋のパネルが光っていたから妻が一人で帰ったのかと思いまして…」
「あぁ、それなら別の男性が迎えに来てたわ。」
「そ、それはどんな男だったのですか?」
「お客さん。それは個人情報だから言えないわ。それにここがどういうところかご存知ですよね?見猿聞か猿言わ猿が私たちの仕事なの。どんな関係の人であっても私たちはその快楽を楽しむための場所を提供しているだけですから。ねっ、もういいでしょ?」
女はそれだけ言って奥の部屋へと姿を消していった。
なぜ、妻がここにいることがわかったのか?やはり私は誰かに監視されているのではないか?そんな不安が頭の中をよぎった。
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