待ち合わせ場所に着くと彼女の車が先に到着していた。彼女は私の車を見つけると運転席から降りてきて私の車の助手席のそばに立った。私が助手席の扉を開けて彼女を車の中に迎え入れると、彼女は助手席に座るとすぐに運転席に座る私に抱きつきながら涙を流した。私はどうしたらよいか分からず、ただただ私の胸で泣きじゃくる彼女を抱きしめるしか出来なかった。しばらくすると彼女は落ち着きを見せて助手席に座りなおした。
「何かあったの?もしかして、旦那さんにバレたとか?」
私は最悪のケースを想定しながら彼女に質問した。
「ううん、バレたとかじゃないの…」
「もしかして…妊娠したの?」
毎回ゴムをつけて二人の愛を確かめ合っていたので、その可能性は非常に低いものだとはわかっていたが、私は彼女に聞いた。
「ううん…違うの…」
私は彼女がなぜ涙を流さなくてはいけなかったのかさっぱり分からなかった。
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