ようやく彼女が身体を起こして後部座席に座った。だが、彼女は私の顔には目を向けなかった。彼女は乱れたスカートを元に戻し先ほどまでの悪夢などどこにもなかったかのように振舞っていった。彼女は少し落ち着きを取り戻したのか、私の顔を見た。そして、私と向き合うような格好を取るといきなり私に抱きついてキスをしてきた。
それは私が知る彼女のキスと同じだった。甘くとろけるようなキスが2人の舌を通じて絡み合うようだった。彼女の目から涙が溢れてきた。それは、彼女の心の中でずっと閉じ込められていた感情が一気に吹き出したように思われた。私は両手で彼女を強く抱きしめた。彼女はキスをやめると私の肩に顔を乗せてヒクヒクと身体を震わせながら涙していった。
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