私は彼女の身体から自分の身体を起こし立ち上がった。車外に残っていた彼女の両足を抱えるようにして持ち上げ、そのまま後部座席の上に乗せ彼女の身体を車の中に押し込むようにした。そして、私も彼女の車の後部座席に乗り込むと扉を閉めた。そして彼女の隣に座ると顔を後部座席に埋めて泣いている彼女の身体にそっと手のひらを乗せてゆっくりと彼女の背中から腰にかけて撫でていった。
私の手のひらに感じる彼女の体温はあの頃と同じだった。だが、彼女の心はあの頃とは変わっているのだろう。今は彼女のそばにいてあげるしか出来なかった。私は彼女の気持ちが落ち着くまでしばらくこのままでいた。
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