車がホテルに着くと、妻は私の腕に自分の腕を絡ませてきた。そう、私が初めて妻とこのホテルを利用した時も妻は私の腕に自分の腕を絡ませてきていた。私はロビーに入るとパネルに目をやった。偶然にも私たちが初めて結ばれた部屋だけが空いていた。私は迷わずその部屋のボタンを押してカウンターで鍵をもらって部屋の中に入った。
「あの頃とおんなじね。でも、あれからこの部屋で何人の人がセックスしたんだろうね。その中で何人の人が私たちのように結婚したのだろうね?」
妻の言葉に私は胸が苦しくなった。ほんの数回とはいえ、結婚してから妻以外の女性と関係を持った私は、罪悪感にも似た感情を抱いた。私は妻の身体に付けられていた縄の跡について話を切り出すことにした。
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