「遅かったね。」
助手席には妻が座ったいた。
「なんでここに?」
「あなたは私との思い出の場所をちゃんと覚えてくれていたんだね。」
「あのホテルじゃなかったのか?」
「ここをよく見て。」
私は景色を見渡した。
「あーっ、私が初めて指輪を渡したところだ。」
「そうよ。忘れてたの?」
「いや、私はてっきり愛し合ったホテルなのかと思ってた。」
「それも確かに思い出の場所。でも、私が一番嬉しかったのは、プロポーズでもあなたと初めて結ばれた場所でもなく、あなたから初めて指輪をはめてもらった所なの。あぁ、私はあなたのものになるのね。そう思った思い出の場所なの。」
女の思い出というのは男にはわからないものだ。だが、不幸ちゃうの幸いで私は妻と合流することが出来た。私たちは無言のまま、私たちが初めて結ばれた思い出の地へと車を走らせた。
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