車に乗った私はなにがしか分からない不安から悶々とした気持ちで車を運転していた。すると、私の胸に強い締め付けが感じられた。私は路肩に車を停めてその痛みに耐えるためゆっくりと呼吸した。おそらく極度の緊張から身体に変化をもたらしたのであろう。私は落ち着くまでしばらく車の中で呼吸を整えた。
突然、私の頭の中にある記憶が蘇ってきた。
もしかすると…
私は来た道を引き返し再度会社へと向かった。会社の前の道に車を停めて急いで自分の机へと向かった。おそらくそうだ。会社に侵入してきた男の目的はこれに違いない。私は机の引き出しを開け、机の裏側に貼り付けてあったSDカードを探した。だがそこには目当てのものはすでにそこにはなかった。
「くそっ、やっぱりこれだったのか…」
私は舌打ちをするとその場に崩れた。それは妻のスマホから抜き取ったSDカードのコピーであった。だが、なんのために妻の写真が収められているSDカードが欲しかったのか?私はコピーを取ったが、中身を見ていなかった妻のSDカードが気になりはじめていた。
おそらく、私の机からSDカードを盗んだのは不倫相手の男だろう。だが、なぜ私がそれを持っているのを知り得たのか?私は訳が分からないまま会社で一夜を過ごした。
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