美味しいはずの吉田の料理の味を感じることが出来なかった。寺沢も黙々とご飯を食べていた。やがて、私たちはご飯を食べ終わると示し合わせたように席を立ち上がり会計へと向かった。
「高木。そういうことだからあまりこのことに首を突っ込むなよ。じゃあな。」
寺沢は人混み溢れる雑踏へと消えていった。私は深く考えていた。彼女のことを‥。何とか守ってあげたい。けれどもどうすることも出来ないといった歯痒さに私は苛立ちを感じた。弁護士か‥、当初そのように考えていた私だが、寺沢が危険ということはやはりかなり危ない橋を渡らなければならないだろうと思った。私は悩んだ。スマホをポケットから取り出すと、彼女に対してメールをすることにした。
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