「ここだここだ。」
寺沢について到着したのは、即日金を借りられる24時間カードローン無人契約機が3つほど並ぶところだった。
「ほれっ、行くぞ。」
私は覚悟を決めてその無人契約機の一つの中に入ろうとした時、「おいおいそっちじゃない。こっちだ。」と寺沢に言われた。
それは、私と寺沢が高校時代によく通っていたラーメン屋だった。学生時代のお金がない時にここのご主人さんが通常料金で麺を大盛りにしてくれた私たちの青春の思い出のラーメン屋だった。
「懐かしい。まだやってたんだな。」
「あぁ、ご主人はすでに亡くなられているが、そのお子さんが2代目を継いだあの味を受け継いでくれているんだ。ほらっ、入るぞ。」
店内は当時のままの配置だった。多少テーブルや椅子が新しくなっている以外にあの頃と変わった様子はなかった。
「らっしゃい。おお、寺沢じゃないか?それにそちらは…あぁ、高木じゃないのか?懐かしい。ほんまよく来てくれた。」
何と厨房で2代目として立っていたのは、寺沢と同様に幼稚園から一緒にいた吉田だった。
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