「…ゆ…き……」
声にならない声で私はスウェットの服を着た女性に声をかけた。頭の中では99パーセント以上、その女性がゆきであると思っていたが、それでもどこかゆきではないことを願っている自分もいました。
ゆっくりと私の方を向いて顔を表しました。そこには私とほんの僅かな時間ではあったが、心の底から愛し合っていたゆきの姿がありました。
「ともひさ…さん…」
彼女の表情はみるみると崩れていき、大粒の涙を頬に伝わらせたと思うと急に私の胸に飛び込んできて、口を私の胸に当てて泣きじゃくった。店内でこのようなことをしていても良くないと思った私は一度彼女に落ち着くように言った。そして、冷蔵庫からお茶を2本取り出してレジを済ませるとコンビニの外に出た。よく見るとそこには逢瀬の度に必死に探していた彼女の車が停められていた。
精神的にきているときは、あれほど気になっていた彼女の車ですら見落とすものなのだなと変に感心した。私はコンビニの外の駐車場で彼女と話をしようと思いましたが、彼女が車で来ていたことは好都合だと判断して、「しばらく車の中で話さないか?」と提案した。
※元投稿はこちら >>