行くあてもなく私は深夜の街をぶらぶら歩いていた。もうどうなっても構わない。そんな思いすら頭の中には過っていった。その時である。ポケットの中に入れていたスマホが震えた。私はスマホを取り出すと画面を確認した。私の期待とは大きく異なっていた。それは妻からだった。私は妻からのメールを読むこともなくそのままポケットにスマホをしまい込んだ。
こんな時に彼女がいたら…。そんな気持ちを抱きながら煌々と輝くコンビニの灯りが目に飛び込んできた。私はそれに導かれるようにコンビニの店内に入っていった。意識がはっきりしない状態で店内に入ったのだが、目的も何もないので中に入ったはいいがどうすれば良いのかさえわからなかった。
とりあえず飲み物でも買おうと店内奥にタッチされている冷蔵庫へと向かった。するとそこには上下スウェット姿の小柄な女性がいた。私はそれが一瞬で誰だか理解できた。
彼女だ。
私は恐る恐る声をかけてみた。
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