しばらくして私は服を着始めた。妻が帰ってくるにはまだまだ時間がありそうだったが、どのみちこんな精神状態なら家でゆっくり寝ていた方がマシだと思い部屋を出ようと扉から一歩足を出した。その時、廊下の一番向こう側から人影が2つ見えた。私はそれを見て慌てて部屋の中に戻った。
「どういうことだ?」
私は今見た光景が頭の中に鮮明に残っていた。心臓の鼓動が速くなっていた。その人物は紛れもなく妻の姿だった。私はもう一度扉を開けて廊下を確認したが、すでにその姿は見えなくなっていた。相手はあの「あきら」なのか?私は強く動揺して過呼吸を起こしてしまいその場にしゃがみ込んだ。
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