シャワーを浴び終えた萩野君がお風呂場から出てきました。
『何か飲みますか? あ、母さんが置いてったビールがあるや』
萩野君は冷蔵庫を開けながら独り言のように喋っています。
私はビールをもらうことにしました。
彼はコーラを手に取り、2人で乾杯をしました。
何を祝うというわけでもなく。
そのとき萩野君とどんな話をしたのか、あまり覚えていません。
少し酔っていたせいもありますが、きっとたわいもない話だったのでしょう。
少なくとも萩野君は私の家庭のこと、夫との関係については何も触れてはきませんでした。
彼なりに気を遣ってくれたのだろうと思います。
「ごめんね...私のわがままでこんなことになっちゃって...」
私は彼に謝りました。
『謝らないでください。こんな狭い部屋ですけど、僕は亜希子さんと一緒にいられて幸せです』
彼の思いがけない言葉に私の目から涙が溢れます。
もちろん嬉し涙です。
『僕、亜希子さんのこと、、、、』
彼がその言葉を言い終える前に、私は彼の唇を奪っていました。
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