結局、レオタードのデザインは僕に任せてもらえることになった。
サイズや柄の参考のために、義母の持っているレオタードを何枚か拝借して自宅へと帰ってきた。
『ただいま』
「おかえり、遅かったわね」
妻がパジャマ姿で寝ずに待っていてくれた。
『あぁ、お義母さんの家でお茶をもらってた。お義母さん、来月エアロビの大会に出るらしいよ。それで今度その大会用のレオタードを作ってくれって』
「またぁ? うちの会社は母さんの専属メーカーじゃないっての。で、もちろん今度は断ったんでしょ?」
妻が“ノー”と言いづらい顔つきで僕の返答を待っている。
『いや、、、今は仕事も薄いし、1着ぐらいなんとかなりそうだから、引き受けた』
「はぁ...あなたもずいぶんお人好しねぇ。ま、あなたひとりで夜なべして頑張るって言うなら、誰も文句は言わないでしょうけど」
妻は呆れた様子で寝室へと消えていった。
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