「さっき、母さんからメールが来たの」
僕はドキッとした。
「“とっても素敵なレオタードだった”って、母さん喜んでくれたみたい」
妻の顔が少しほころんだような気がした。
しかしすぐに真顔に戻って僕の顔を見る。
「ねぇ、あなた?」
『ん?』
「母さんのこと、どう思ってるの?」
『どうって、、そりゃお前の母親だし大切に思ってるさ』
妻の質問に僕は当たり障りのない返しをした。
「女としては、どう?」
妻が踏み込んだことを聞いてくる。
『ま、まぁまぁ綺麗な人だよな。歳のわりにスタイルもいいし。エアロビのおかげかもな』
僕がうっかり思ったままに答えるのを、妻はつまらなそうな顔をして聞いている。
「それじゃあ、私のことはどう?」
『えっ?! なんだよ急に』
「母さんのことは言えても、私のことはなんとも言えないの?」
『いや、そういうわけじゃないけど、、』
「けど、何よ?」
妻が僕に詰め寄る。
僕はたじろぎ、詰め寄る妻から距離を取った。
『だって、俺とお前は夫婦だろ? 大事に思ってるに決まってるだろ』
「じゃあ、じゃあ女としてはどうなのよ!」
そんな妻の目は真剣だった。
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