マダム達を各家々に送り届け、最後に義母の家に到着する頃には、時刻が22時を過ぎることも多かった。
「カッちゃん、ごめんねぇ。今日もけっこう遅くなっちゃったわね」
『気にしないでください。明日は日曜だし仕事も休みなんで』
「ねぇ、明日お休みなら、ちょっとあがっていかない? ちょっと相談があるのよ」
僕は義母に言われ、家にあがらせてもらうことにした。
ちなみに義母は今、僕達夫婦が住むマンションの近くで1人で暮らしている。
(もっとも、あえて妻の実家近くにマンションを買ったのは僕らのほうだが)
「はい、どうぞ。熱いから気をつけて」
義母は僕にお茶を淹れてくれた。
テーブルを挟んで向かい合うように座る。
「本当にいつもありがとうねぇ。カッちゃんにはみんな感謝してるのよ」
『いえいえ、そんな。家にいるとついつい仕事のことばかり考えちゃうんで、気分転換に丁度いいですよ』
「みんなカッちゃんのこと“真面目でいいお婿さん”だって言ってくれるし、私もとっても誇らしいわ」
義母の言葉に僕はなんだか照れくさくなり顔が熱くなった。
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