僕が話し終えると、義母は何も言わず僕を引き寄せ、優しく抱きしめてくれた。
そして僕の耳元で静かに話し始めた。
「カッちゃん...聞いたわよ。毎晩寝ずに頑張ってくれたそうじゃない。私なんかのためにそんなにまでしてくれて、私とっても嬉しい...このレオタードが出来上がったら、カッちゃんにたっぷりお礼しなきゃ...」
義母のその艶っぽい口調に僕の体はみるみる火照っていく。
僕は義母から体を離してこう言った。
『お、お義母さん、まだ、まだこれからですから。ぼ、僕、世界で1番素敵なレオタード、お義母さんのために頑張って作りますから!』
義母は微笑みながら静かに頷いてくれている。
その日から本格的に義母のレオタード作りが始まった。
工場のラインが止まってから僕は毎晩黙々と作業し続けた。
型紙通りにカットした生地を縫製し装飾を施していく。
デリケートな部分は機械に頼らずにすべて手作業。
義母がこのレオタードを着て大会に出場している姿を思い描きながら、少しずつ丁寧に作り上げていく。
それから1週間後、
ようやくそのレオタードは完成した。
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