奥村さんはお店を構え、裏には畑とビニールハウス、道を挟んだところには2軒の倉庫があり、手広くやっていました。
たまにですが新聞に広告を乗せたりして、遠くから訪れるお客さんもいたようです。それわただの住宅地の真ん中でやっていたのですから、たいしたものです。
おじさんが亡くなり、母も気を使ったのか、珍しく奥村さんのお店に出向きました。細々とガーデニングをしている母、常の買い物はホームセンターです。
しかし、近所付き合いと言いますか、花の種を求めて奥村さんのところに向かったのです。
『あんたも行く?』、普段なら絶対に声を掛けてこない母。ただ、あまりに久しぶりなため、心細いのか僕にそう聞いてきたのです。
『奥村さんのとこ?ええよ。』、そう自然に返事をした僕ですが、狙いは別のところにあります。それは『リアル』。
間近に満智子さんを見て、更に夜のオナペット・満智子をリアルにするためのものでした。
『こんにちわぁ~。』、母の声がお店に響きました。すぐに二人の子供さんから、『いらっしゃいませぇ~!。』と声があがります。
娘さんの方が、『あっ!伊藤のおばちゃん~!』と母に声を掛けて来ました。息子さんは、どうも僕たちを分からないようです。
娘さんは『お母さぁ~ん!伊藤のおばちゃん~!』と奥に声を掛けます。すると、奥から満智子さんが姿を現すのです。
『あらあら、いらっしゃいっ!』と母に声を掛けた満智子さん。しかし、すぐに隣にいる僕に気がつきます。
『あれ~?お兄さん、息子さんだったのぉ~?ごめんなさい、私わからんかったわぁ~!大きくなったんやねぇ~。』と畑の覗き魔の正体が分かったようです。
時間的にちょうどよかったのか、息子さんは裏へ消え、おばさんと娘さんが僕たちの接客をしてくれました。
それには母も気を使ったのか、買う予定ではなかった苗や種まで購入をしてしまいます。
そして、久しぶりに現れた伊藤家にテンションが上がったのか、満智子さんは『うちの畑、見ていくんな?』と僕に声を掛けて来たのです。
それは、何度も僕とブロック塀越しに言葉を掛け合っていたからこその計らいでした。
残念ながら、畑へと連れていってくれたのは満智子さんではなく娘さんの方で、少し残念です。
店の奥の薄暗い廊下を抜けると、畑があって、長年謎だったビニールハウスにも入れ、どこか満足でした。
10分足らずの見学を終えました。娘さんに先導をされ、またあの薄暗い廊下へと戻ります。廊下に入ると、僅かな明かりが部屋から溢れていました。
きっと、この奥あたりで息子さんが休憩でもされているのだろうと想像をします。通り過ぎる時、チラッと部屋の中に目をやりました。
そこに見えたもの。それは、部屋の干しをしている洗濯物。白系のものの中にあるものを発見します。
明らかに女性の下着で、大きめのブラジャーとパンティーが干されています。娘さんは別居をしているので、それは満智子さんのものとしか考えられません。
その夜、また僕の『リアル』が追加をされていました。顔は昨日よりも鮮明なり、大きめの白いおばさん下着を身に付けた満智子さんがそこにいたのです。
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