何かある、この二人には普通ではないただならぬ関係性が。
「浩司さんに話してみてくれない?私達のこと」
「うん、今晩話すつもりだったの。明日のお祝い会は愛ちゃん夫婦と私達だけでお願いしていいかな?」
「そうだね、そうした方がいいね」
「今から話してみるね、明日昼休みに教えるから」
「うん、理解してもらえたら嬉しいな、でもダメだよね」
「わからないけど、とにかく話してみるね」
「うん、澄子さんは終わらせたいと思ってるんだよね」
「そうしないといけないって思ってる。本音は続けたいけどね」
「わかったわ、明日ね、待ってるよ」
通話を終えた澄子が、お茶を飲んでる俺の向かいに座る。
「浩司さん、今の会話聞いてくれたよね」
「ああ、愛ちゃんと何があるの?」
「わからなかった?」
「大体はわかったよ、外れてたらゴメンよ。二人はもしかしてレズ関係ってことかな?」
何かを自分に言い聞かせるように間をおいて、キリっと顔を引き締めて
「そうなの、騙すつもりも隠すつもりもないから浩司さんに聞いてもらったの」
「ふ~ん、そうなんだ、いつから?」
「10年以上前かな、きっかけは二人で飲みに行った時に、愛ちゃんがふざけてキスしてきたの。私も普通に受けてて、自然な感じがしてた」
まっすぐ俺を見て話す澄子は、俺がどんな反応をするか気にかけながら正直に話を続けた。
「その時はそれだけだったんだけど、次の日に愛ちゃんの顔を見たら、この子のことが愛しいって思っちゃってたの。私バカだから、それをそのまま愛ちゃんな言ったの、そしたら愛ちゃんも私のことが好きだって言ってくれて、仕事が終わってから二人っきりの車の中でまたキスしてみたのね、そしたら無意識に愛ちゃんのおっぱい触ったり触られたりになっちゃったの。」
「多分、二人とも心のどこかにそんな願望があったんだね」
「多分ね、それでね、その時私セックスとかしてなかったから感じちゃって、愛ちゃんにされるまま逝っちゃったんだ。愛ちゃんそれから時々してくれて、私も愛ちゃんに同じことするようになったの」
「自然にそうなったんだ。でも、愛ちゃんは旦那ともしてたんだろ?」
「そうよ、あの子正直だから教えてくれたわ。でもそれは夫婦の間のことだし、私は何とも思わなかった。愛ちゃんは旦那とのセックスも私とのことも好きみたい」
「それで、その関係を澄ちゃんは続けたいの?」
「止めないと浩司さんに悪いと思うの」
「わかった、俺は続けてくれても構わないよ。でも、愛ちゃんの旦那さんは知ってるの?」
「知ってる、知ってて私としてきた日は凄く愛してくれるって言ってた」
「そうか、そうかも知れないな。わかる気がするよ」
「浩司さんいいの?」
「他の男となら多分普通に許せないけど、澄ちゃんと愛ちゃんの関係なら納得出来ちゃうよ。愛ちゃんの旦那とはしたことないよね」
「それは無いわよ、その時は男はいらないって思ってたし、愛ちゃんがヤキモチ妬くもの」
「じゃあ、いいんじゃないか、澄ちゃんと俺の邪魔をしないなら構わないよ」
「それでも私を求めてくれるの?」
「ありのままの澄ちゃんがいいよ。正直に生きて行くことがお互いのためだと思うし、かと言ってそれを理由におれが女遊びすることもないよ」
「ありがと、なんだかホッとしたわ。嫌われると思ってたから」
「二人の関係って興味あるな、誤解するなよ厭らしい意味じゃないから」
「普通じゃないから?」
「まあ、そうだね。愛ちゃんの旦那も俺も男として女同士でってとこに興味を持つよ。男同士もあるって言うけどそこは全く興味がないけどね」
「そうなんだ、やっぱりレズって普通じゃないよね」
「普通とかそんなの関係ないと思うよ、求め合う者同士の問題だろ、澄ちゃんと俺もそうじゃないなか?」
「そうね、浩司さんて凄く理解があるのね、頼もしいな、認めてくれてありがと」
緊張気味だった澄子の顔もにこやかにもどった。
これからも二人の関係を認めたが、正直愛ちゃんの旦那と話してみたくなっていた。
澄子としてきた日に燃える男としての感情は、未経験の俺でも想像できた。
翌日、普段通りにしごとを終え、先に戻っている澄子が待つ家に帰ると、愛ちゃん夫婦かビールと寿司やオードブルを手分けして家の中に運んでいた。
「浩司さん、うちの旦那です」
「お邪魔します、雅人と言います。うちのがいつもお世話になってます」
「いやいや、こちらこそはじめまして、浩司です。愛ちゃんのおかげ助かってます。今日はわざわざありがとうございます。手伝いますから、中へ」
ビールを受け取り玄関に二人を通す。
リビングから澄子が出て来て
「雅人さん愛ちゃんようこそ、今日はありがと」
「澄子さん、早速尾じゃしま~す」
澄子から昨夜の話を聞いたのか、愛ちゃんの表情は明るかった。
旦那の雅人も愛ちゃんのあとに続いてリビングに入る。
澄子は帰宅してからのわずかな時間で、シーザーサラダとつまみをテーブルに準備していた。
「明日は三人とも仕事休みだよね」
愛ちゃんと澄子には、有休を取れるように段取りしてあったが、雅人の都合を聞いておきたかった。
「ええ、お二人のお祝いと称して心置きなく飲めるように僕も有休取りました」
「そう、良かった。じゃあ早速やりましょうか」
澄子はキッチンの食器棚から皿を何枚か取りだし、リビングに運んでくる。
昨日のうちにどこに何が仕舞われているのか確認してあったようだ。
皿を配り終わったので、愛ちゃんが乾杯の一言を
「浩司さん澄子さんおめでとうございます槌今夜は二人の今後を祝ってっ、乾杯~い」
喉が渇いてたせいか、ビールを一気に飲み干し
「ありがとうございます。ゆっくり飲みましょう。子供さん達は?」
「おばあちゃん来てるから大丈夫ですよ」
心置きなく愛ちゃんの旦那から話が聞ける。
澄子のことをどう思ってるのか。
「愛ちゃんありがとう、いろいろ話を聞いてもらってたから、浩司さんといっしょになれて良かったわ。アドバイスのおかげね」
「正解だったでしょ、会社で待ち伏せ作戦。浩司さん離婚してから仕事ばかりで餓えてたのわかっもん」
「何だよ、仕組まれてたの?」
「ごめんなさい、騙すつもりなかったの、私が誘いたかっただけよ」
「浩司さんで呼べいいですか?」
「あ、うん、フランクにいきましよう」
「浩司さんこの二人の策略に乗っちゃったんですね」
「雅人君、君だったらどうする?据え膳喰わぬは男の恥だろ」
「たしかに、わかってて仕掛けるのはえげつない気もしますね」
「でしょ、結果的に昨日今日の流れだから文句は言えないかな」
飲み始めて30分もすると、俺と雅人も屈託なく話せるようになり、少し酔いも回りだした。
「でも、羨ましいです。澄子さん美人だし、スタイルも抜群だから」
「何?愛ちゃんだっていい女じゃない」
「まあ、僕が言うのも何ですけど、結構自慢です」
「わかってらっしゃる、でも澄子とのこと知ってて妬かないの?」
「知ってらしたんですか、妬くというよりは、かえって燃えちゃいますよ。女同士ってことが興奮させるんですよ。浩司さんどうですか?」
「わかる。俺も雅人君に同感、浮気って思わないよな」
「そう、そうなんですよ、想像力掻き立てられるっていうのかな」
「そうだよね、どんな風にしてるんだろうとか」
「一度見てみたいと思いませんか?」
「おっ、俺と同じこと考えてたんた、見たいよな」
「何かいい方法ないですかね?」
「俺に考えがあるんだけど、協力してくれるか?」
「えっ、見れるなら何でもしますよ!」
雅人の耳元で俺のアイデアを話す
「浩司さん天才だわ、ははは、OKです」
「何?ひそひそ話して、怪しいぞぉ」
愛ちゃんもちょっと酔ってきたようで、絡み気味だが旦那の顔を両手で挟んでチュッとふざけてみせた。
澄子が笑って見ている。
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