映画を観終え、家に帰ったのは午後5時近くにもなっていました。母からは、『あんた、本気でデートして来たんやねぇ?』とからかわれてしまいます。
もちろん、何があったなんてことは言えず、『なんかわからんけど、映画行くことになってさぁ~。』と、その程度伝えるのでした。
夕食を終えて部屋に入った僕は、やはり昼間の映画館での事を思い出していました。『よくもまあ、あんなことやったなぁ~。』と自分の行動を驚くのです。
普段では絶対に考えられない行動。40歳以上年上の、それもほとんどよく知らないおばさんの身体に手を延ばし掛けたのです。
映画館の暗闇がそうさせたとしても、あの異常な行動は自分ではありませんでした。
佐久間さんの手や腕、そして肌の感触がまだ僕の手にしっかりと残っています。その手は、ズボンのファスナーを緩め、股間へと滑り込んで行くのです。
『佐久間さん…、』、下の名前も知らない僕は、彼女の名字を呼びながら、その股間をまさぐってしまうのでした。
午後8時。僕はなぜか家を出ました。その足は東にある歯医者へと向かい、その角を曲がってしまいます。その先にあるのは、佐久間さんの家です。
もちろん約束などしてませんし、行ったところで押し掛ける理由もありません。それでも、僅かな何かを求めて向かってしまったのです。
ところが、その先の行きどまりになっている場所、つまりは佐久間さんの家の正面ですが、そこに彼女の家を塞ぐように一台の車が停まっていました。
真っ暗な中でしたが、それは真っ白な高級車だと分かります。そこで『ピンっ!』と来ました。息子さんです。
お昼に、『佐久間さん、お子さんは?』と聞いた時に、『息子が一人いるわぁ。もう、40歳過ぎてるけどねぇ。』と話されていたのです。
そして、『自分で会社してるの~。社長さんなのよ。』と言われ、『社長=金持ち、高級車』という計算式が僕の中で芽生えたのです。
『息子さんが帰って来てる…。』、そう思えただけで僕の心はなぜか安心をしました。
何かを求めてここまで来たのに、『これでは仕方ないなぁ。』と勝手にその理由をつけたのです。そして、そのまま家に戻るのでした。
しかし、僕の出した結論は間違っていたようです。
その車は息子さんのものではなく、『和泉』という男性のものだったのです。年齢は、佐久間さんよりも1つ年上となります。
そして、僕が諦めて家に足を向かわせたちょうどその頃。
僕とのデートに着ていたワンピースを腰まで脱いだ彼女は、その男のモノに股がり、自分の身体をゆっくりと沈めて行くのでした。
※元投稿はこちら >>