お風呂からは、佐久間さんの入浴をしている音が響いていました。洗面器が音を立て、流れたお湯が床を叩いています。
聞き耳を立てるようにして聞いていた僕。それはとても長く感じ、セックスをする怖さなのか、『もっとゆっくりしてくれ。』とさえ思ってしまうのです。
しかし、大きく湯船が音を立て、彼女が床に立つ音がし、一瞬の静寂の後、ついに扉が開かれました。
5分後、脱衣室の扉が開き、佐久間さんが廊下を歩き始めます。彼女はリビングには現れず、そのまま寝室へと入っていくのです。
更に15分が待たされました。ようやくリビングに現れた彼女の身体は、ピンクのシルクのネグリジェに包まれていました。
少し開きそうな胸元は、蝶々結びをされた紐で縛られていて閉じられています。『おばちゃん、歯磨いたよぉ~。』と言われ、カレーの匂いは消えたようです。
『洗面所に歯ブラシ用意してあるから。』と、僕も急いで歯磨きに向かいます。。
こんなに長く、丁寧に歯磨きをしたことがあったでしょうか。計3回の歯磨きを終え、僕は再びリビングに戻るのです。
彼女はキッチンにいました。冷蔵庫から謎の飲料を取り出し、グラスで飲んでいました。そして、『ほんと、おばちゃんよぉ~?』と僕に声を掛けるのです。
佐久間さんなりに、ハードルを下げているのが分かります。60歳後半の身体です。僕に、変な期待を持たしたくはないのです。
僕は『はい。』と答えてあげました。それを聞いた彼女は、グラスの中身を飲み干すと、『なら、してみるぅ~?』と言い、グラスをテーブルに置きます。
そして、その目が僕を見つめるのです。その目は、ちゃんと男を誘ってくれていました。それと同時に、彼女の戸惑いも隠しきれてはいません。
60歳後半の女と、20歳そこそこの若者がセックスをしようとしているのです。佐久間さんも、いろいろと考えるところがあるのでした。
お風呂場を通り過ぎ、暗くなったその奥にその部屋はありました。扉を開けると、つけっぱなしだった中の照明が暗い廊下を照らします。
部屋に入ると、左に化粧鑑が、右にはテレビ台、そして奥に彼女が寝ているであろうダブルベッドか置かれています。
化粧台の上には、彼女が使ったであろう保湿性乳液やクリームが置いてあり、急いだのか蓋は中途半端に締まったままです。
『そっち、座る?』、彼女にそう言われ、僕はベッドに腰掛けさせられました。そこでジャマな靴下を脱ぐのです。
佐久間さんは、一度化粧台へと座ります。僕には何も言わず、鏡とにらめっこをしながら、さりげなく唇に赤いルージュを薄く塗るのです。
ネグリジェの肩あたりを引いて服装を整えると、その小さなお尻がイスから浮きました。
彼女は振り返ると、一瞬僕を見ました。しかし、靴下を脱いだだけで、ベッドに座ったままの僕を見て、一度視線を外します。
彼女に気づき、僕はベルトに手を掛けました。もう、彼女の方は準備が終わっているのですから。
ズボンを足から抜くと、ボクサーパンツが現れます。もちろん、彼女には初めて見せるものです。
パンツはハッキリと僕の股間の形を写し出していますが、恥じらっている場合でもありません。もうその時なのですから。
佐久間さんは、『お布団、先に入ってくれる?』と言って来ました。僕が先に入り、布団をめくって彼女を迎え入れるのです。
彼女は、『よいしょ~。』と言って、先にベッドにお尻をつけました。そして、中に入ろうと布団の縁を握った瞬間でした。
『ちょっとぉ~!こらぁ~!』と佐久間さんの声が上がりました。僕が彼女を抱き締め、ベッドに転がしたからです。
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