『お母さん、調子よくないんでしょ?』
『あんまり…。』
『お兄さんさぁ、お昼ごはんくらいなら、いつでもおばちゃんのところに来なよ。おばちゃん、なんでも作ってあげるから。』
『ありがと。パチンコで吸った…。』
『ごはん代を?アホやなぁ~。』
そんな会話をしながら、彼女のキッチンからは食欲をそそる肉の匂いがたち込め始めます。作ってくれたのは、『しょうが焼き』でした。
もちろん、しょうが焼きにハズレはなく、佐久間さんの腕前も確かで、とても美味しいものでした。
『めっちゃうまい!』、その言葉は作る彼女にも最高の誉め言葉となり、『ほんとぉ~?』と嬉しそうに聞き返して来ます。
『なんなら、夕ごはんも作ろうか?』と、冗談なのか、本気なのか、どっちにしても雰囲気の悪くなり掛けていた僕たちにはとてもいい時間となったのです。
食事も終わり、食後のコーヒーが出されました。テーブルを挟み、リビングで佐久間さんと他愛もない話を続けます。
いったい、いつからでしょうか?おばさん相手に、こんなに世間話が出来るようになったのは。自分でも感心するほど、おばさんとの会話が出来ているのです。
きっとそれは、母にゴミ当番を頼まれたあの日から。町内の方など知らなかった僕が、触れ合うことで自然とこんな技術まで叩き込まれてしまったのでしょう。
結局、コーヒー一杯で1時間半も佐久間さんとの会話を楽しんでしまったのでした。
『夕ごはん、何が食べたい?』、会話の最後に佐久間さんが僕に聞いて来ました。半分冗談だと思っていただけに、少し戸惑います。
それでも、『カレー。』と定番の名前をあげると、『よしっ!カレーにしようっ!』と言って、佐久間さんもやる気を見せるのです。
『なら、お買いものに行こうか?』と言われ、まさかの外出となるのです。『行こ、行こ~!』と答えた僕。
会話が弾んでいるだけに、僕も上機嫌です。しかし、それは僕の勘違いでした。会話が弾んだのは僕の力ではなく、彼女の話術。
僕は、ただ踊っていただけ。佐久間さんの方が、僕を飽きさせないように、手玉に取っていただけなのです。
その理由は彼女自身にありました。正確には、彼女も知らない本当の彼女。『帰らせたくない…。』、そんな気持ちが会話を弾ませていたのです。
それもそのはず、彼女はここ一週間、毎夜ベッドで身体を慰めていました。若い頃ならともかく、7日もオナニーを繰り返したのは何十年ぶりのことでした。
動画を再生しては、僕を『お兄さん…、』と呼んで
その細い指を動かし続けたのです。
そしていつからか、僕を『ユウ…、』と呼ぶようになっていました。僕の本名を知らない彼女ですが、呼ぶことで更に興奮を高めることを覚えました。
僕の知らないところで、『ユウ…、ユウのモノちょうだい!』『ユウ…、お願いぃ~!オマンコに入れてぇ~!』と彼女にとって身近な存在となっていました。
佐久間さんにとって、僕はもう僕ではなくなっていたのかも知れません。セックスの対象、セックスをしたい本命となっていたようです。
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