【6】
最初は、ただ幸子の姿を妄想しながら自慰行為をしていた。
それから、僕が幸子と性行為をする妄想へと移行した。
幸子を女として見ているのだから、そこに行き着くのは必然だった。
しかし、僕は何か物足りなさを感じていた。
普通に考えて、幸子が僕と性行為をするなんてあり得ない。
当然、拒否するに決まっている。
僕は、幸子を妄想しながらの自慰行為に完璧な完成度を求めていたのだ。
だからこそ、その矛盾に違和感を感じてしまったのかもしれない。
そして僕が考え抜いた結論は、幸子を犯す事だった。
とはいえ、僕が幸子を犯すのは無理があった。
まだ小学校だった僕が、いくら女とはいえ大人を無理矢理犯すのは難しいからだ。
それに、妄想とはいっても親友の母親を犯す事に抵抗があった。
いくら妄想でも、親友の母親を犯すなんて鬼畜すぎる。
そこで思い付いたのが、他の男に幸子が犯されるという結末だった。
大人の男なら、幸子を無理矢理犯す事も可能だし違和感が無くなる。
だが、この結論に至った経緯には別のれっきとした理由があったのだ。
それは、実際に周囲の男の中にも幸子に卑猥な視線を送っている者達が存在しているという事だ。
もちろん、確証は無かった。
でも、確かめる術は無くても同じ様に幸子を女として見ている僕には何となく分かる。
全ての男達では無かったが、数人の男の幸子に対する接し方や視線は間違いなく淫らなものだった。
しかし、僕には少し嬉しい感情もあった。
何故なら、僕以外にも幸子に卑猥な感情を抱いている者が他にもいる、やっぱり僕の目に狂いは無かった、幸子はそれほどいい女なのだ、と。
だからこそ、幸子が他の男に犯されるという妄想には全く違和感が無いのだ。
その瞬間、僕の中で幸子が他の男に犯されるという歪んだ妄想は確固たるものとなった。
そして、僕の結論が間違っていなかった事を気付くのに、時間はかからなかった。
幸子が犯される姿を想像すると、今までの自慰行為は何だったのかと思うほど興奮したのだ。
射精の瞬間は、他では絶対に味わえない程の快感だった。
あの気が強い幸子なら、激しく抵抗するだろう。
それでも男の力には逆らえず、抵抗虚しく犯される。
もしかしたら、僕の中にも残虐的な一面があるのかもしれない。
だが、幸子は犯される事で最大限に興奮させる魅力があるのだと僕は確信した。
それから、僕の妄想の中で幸子は色々な男に犯された。
実際に、良からぬ感情を抱いている近所の男達に犯される幸子。
それだけではなく、架空の人物も作り上げた。
晶が通う学校の教師に犯される幸子、由英が勤める会社の上司や同僚に犯される幸子。
更に、もっと選択肢を増やす為に主婦である幸子を働かせる事にした。
依頼者や同僚に犯される弁護士の幸子、同僚や患者に犯される女医の幸子、同僚や生徒に犯される教師の幸子、上司や同僚に犯されるOLの幸子。
僕の妄想の中で、幸子は一体どれだけ犯されたのだろう。
その中で、僕は1つ分かった事があった。
色々な男に犯された幸子だが、1番興奮するのが中年男に犯される幸子だったのだ。
汚ならしい中年男が、あのいやらしい身体を誇る幸子を犯す。
幸子が最も嫌悪するタイプの男でもあり、そんな男に人一倍プライドが高く気性が荒い幸子が犯されればどれだけの屈辱を味わうのだろう。
そんな幸子の心情も考えると、1番興奮するのは中年男だった。
今となっても、これ以上の興奮は味わった事が無い。
そして、これからもそうに違いない。
(・・・今日は、あいつで犯してみるか)
今日、僕が選んだ男は近所の男だった。
もちろん、ただ犯すだけでは芸が無い。
僕は、幸子が犯されるまでの過程も興奮材料になっていた。
今日のシチュエーションは、すぐに決まった。
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