【166】
剛棒を、口内から引き抜こうとしない野田。
再び、幸子に何かを囁いた。
幸子は、驚いた表情で拒否している様だ。
あの時の状況を思い出し、僕は野田の意図を察知した。
その状態で微動だにしない野田を見て、幸子も覚悟を決めたらしい。
呼吸を整えると、幸子は躊躇せず一気に飲み込んだ。
やはり、野田は幸子に汚濁液を飲む様に指示したのである。
幸子にとって、相当悲嘆な要求だったはずだ。
幸子の苦しむ姿を優越感に浸りながら見下ろし、野田はようやく剛棒を引き抜いた。
急いで客間を出て行き、台所で僕達を何とか誤魔化す幸子。
トイレへ逃げる姿は、哀憐すら感じさせる。
その幸子を追いかける様に、野田が台所へ向かった所で映像は終わった。
予想通りではあったが、客間の襖の裏であんな淫攻が行われていたとは・・・。
陰鬱な気分にもなったが、正直どちらかといえば僕の肉棒は勃起を抑えきれなかった。
残りの2枚のディスクも、早く確認しなければいけない。
僕は1枚目のディスクを取り出し、【き】と書かれたケースに納めた。
次に迷わず選んだのは、【せ】だ。
何故なら、このディスクは僕にとって1番興味を持つ内容だからである。
すぐに【せ】のディスクを再生し、テレビに釘付けになった。
画面が切り替わり、現れた映像も見覚えのある景色だ。
洗濯機や洗面台、それにトイレのドアが見える。
ここは、牧元家の洗面所で間違いない。
映像から察するに、隠しカメラの設置場所は洗面所の角にある収納棚の様だ。
洗面所を全て見渡すには、絶好の場所といえる。
窓から光が射し込んでいるので、時間帯は朝だろう。
そんな事を考えていると、1人の人物が洗面所へ入ってきた。
口に手を当て、深刻そうな表情で俯いている。
その人物は、来るなりトイレへ駆け込んだ。
すると、中から僅かに声が漏れてきた。
どうやら、嘔吐いているらしい。
直前に、不快な目に遭っていた証拠だ。
そう、野田に汚濁液を飲まされた幸子がトイレに駆け込んだ場面である。
この後、幸子もどうなったのか僕には分からない。
只、すぐに追いかけた人物がいる事は知っている。
僕の記憶が正しければ、もう現れるはずだ。
そして、洗面所のスライドドアがゆっくり開いた。
もちろん幸子を執拗に求め続ける淫獣、野田だ。
既に視線はトイレのドアを向き、待ち構えている。
物音を立てていない為、幸子は野田の存在に気付いていないだろう。
その瞬間、何も知らない幸子がトイレから出てきた。
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