【156】
「ヴッ!!ヴッ!!ヴッ!!」
必死に堪えようとしているのだろうが、どうしても抑えきれない様だ。
野田の剛棒を口内に捩じ込まれ、幸子は窒息に苦しんでいるに違いない。
まさか、僕と由英が起きてからも淫攻を仕掛けるとは思いもしなかった。
数時間前に何度も幸子を犯し何度も果てたはずなのに、まだ満足していないのだろうか。
改めて、野田の幸子に対する淫醜な執着心を見せつけられた様だった。
しかし、すぐに由英が戻ってくる。
僕は2人の関係性を知っているので動く事は出来ないが、由英が戻ってきたら幸子を探すはずだ。
客間に行けば、信じ難い光景を目撃してしまう。
その状況は、牧元家の崩壊を意味するといっていい。
僕が引き留めても長くは持たないし、何より幸子の息苦しそうな淫音に気付くのは時間の問題だ。
「ンヴッ!!ンヴッ!!ンヴッ!!」
一体、どうすれば・・・。
すると、僕の心配も虚しく由英が戻ってきてしまった。
「・・・あれ、居ないのか。
洋太、おばさん何処に行ったんだ?」
「えっ・・・さっ、さぁ。」
「味噌汁温めてくれるのはいいけど、沸騰してるじゃないか。
危ないなぁ。」
まずい、このままでは由英が異変に気付く。
僕は、何とか由英を引き留める為に話し掛けようとした。
だが、その時である。
僕の後ろから、足音が聞こえてきたのだ。
幼少期から聞いてきた足音で、誰かは瞬時に分かった。
「おっ、そっちに居たのか。
鍋、煮立ってたぞ。
気を付け・・・どうした?」
由英の不審めいた口調に、僕は思わず後ろを振り返った。
もちろん、そこに立っていたのは幸子だ。
さすがに、この短時間で果てるには無理がある。
野田は、途中で断念したのだろうと思っていた。
ところが、幸子を見た瞬間に僕の安堵感は脆くも崩れ去ったのだ。
口に手を当て、眉間に皺を寄せる不快そうな表情の幸子。
野田が、幸子の口内に汚濁液をぶちまけて強引に飲ませたに違いない。
何故なら、由英に疑われそうな素振りを幸子はしないからだ。
昨晩、あれだけ犯されたにも関わらず何食わぬ顔で過ごしていた。
これまでだって、気付かれない様に気丈に振る舞っていたではないか。
それが、今はこんなに取り乱した姿を見せている。
野田が、汚濁液を口内にぶちまけて飲ませたとしか考えられない。
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