【143】
戻ってくるなり、野田は幸子の腕を掴んだ。
そして、身体を起こすと強引に立ち上がらせたのだった。
幸子はふらついた状態で、倒れない様に維持するのがやっとだ。
すると、野田は幸子を引き摺りそうな勢いで移動し、客間を出た。
今度は、何処に連れて行くつもりなのだろう。
「はっ、離してっ。・・・もっ、もう・・・。」
幸子の儚げな哀願は、廊下の奥に虚しく消えた。
客間は僕と由英の2人だけになり、再び静寂に包まれている。
まさか、僕が狸寝入りして一部始終見ていたとは考えもしないだろう。
僕は、野田と幸子の気配が近くには無い事を確認すると起き上がった。
周りを見渡し、改めて醜悪な淫劇だったと認めざるを得ない。
2人の脱ぎ捨てられた衣服。
野田の粘り気たっぷりの濃厚な汚濁液。
更に、室内に充満した汚濁液の不快な臭い。
これだけで、ただならぬ事態が起きていたと感じさせる光景だった。
(どうすれば・・・。)
僕は、このまま寝てしまうべきか迷った。
酒酔いで寝ている事になっているのだから、帰るわけにもいかない。
寝てしまえば、いつの間にか朝になっているはずだ。
そうすれば、由英も目を覚ますだろうし野田も幸子に手出しは出来ない。
やはり、寝てしまうのが得策だろう。
しかし、僕はどうしても2人の行方が気になって仕方が無かった。
もちろん、野田が卑劣な企みを思い付いているのは間違いない。
どんな淫攻で幸子を犯しているのか、この目で見たいに決まっている。
最早、選択の余地は無い。
僕の肉棒も、満たしていないのだ。
2人の居場所へ向かう為、僕は立ち上がった。
由英は相変わらず寝息をかいているが、一応物音を立てない様に注意しながら移動した方がいいだろう。
だが客間を出る前に、僕はある物から視線を逸らす事が出来なかった。
脱ぎ捨てられた衣服の中で、一際主張する2枚の下着。
幸子が身に付けていたシルク素材の白いブラジャーと、コットン素材で濃紺の花柄模様が彩られた白いパンティーである。
ついさっきまで、幸子が身に纏っていたものだ。
脱いで間もない幸子の下着、つまり1年程前に洗濯機の中から発見した下着と同等の状態ではないか。
当時の、例えようの無いあの興奮が蘇ってくる。
これを、無視するわけにはいかない。
僕は、迷わず幸子の下着を手に取った。
掴んだ瞬間の感じた温もりは、幸子の肉感的な身体にしっかり固着していた証だ。
それも、この時期には1番蒸れてしまう部分である・・・。
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