【124】
『目を覚ましたら、取り返しのつかない事になる。』
幸子が発した先程の言葉で、由英に助けを求める事は無いと判断したに違いない。
幸子の気丈な性格を以前から知っている野田なら、恐らくそれは無いと読むのは自然だろう。
更に、野田は幸子が抗えない様に念入りに脅迫した。
「そこに転がってる小僧だって、酔って寝てるだけなんだろ?
息子の友人らしいじゃないか。
そいつにだって、こんな所を見られるのは嫌だよな?」
僕の事だ。
2人に見られ、焦った僕は熟睡を装って誤魔化した。
幸子からすれば、僕にも知られたくないと思うのは当然だ。
息子の親友で、それこそ息子同然に扱ってきた僕に犯されている光景を見られてしまう幸子の心情は、耐え難いものだろう。
これだけでも、幸子を大人しくさせるには十分だ。
しかし、野田は幸子の抵抗心を徹底的に潰すつもりらしい。
「でも、どちらにしても声を上げるのは得策じゃないぞ。
この時間だと、近隣住民もまだ寝てないだろ?
ここに居る2人が起きなくてもお前の悲鳴が聞こえれば、近所の連中が上がり込んでくると思わないか?
そうなれば私は社会的地位を失うが、お前も全て終わるだろうな。
町中に噂が広まり、好奇な目で見られる。
そんな人生、耐えられないよな?」
卑劣極まりない脅迫だ。
本来、気の強い幸子なら従う事なく平手打ちでも食らわせただろう。
だが、この状況では逆らえない。
「・・・卑怯だわ。
人として恥ずかしくないの!?」
「・・・私の立場も、理解してくれないかな。
私はね、町長という重責を担っている。
今、この地位を失うわけにはいかないんだ。」
身勝手な発言は、野田の人間性を表していた。
やはり、淫獣は誰もが同じ低劣な者達ばかりだ。
野田は、更に続けた。
「・・・幸子、私には全て分かっているから安心しなさい。
あの杉浦とかいうガキに、脅されているんだろ?
大方、あいつに無理矢理犯されたってところか。
・・・でも、大丈夫だ。
私が、もう手出しさせない。
町長の権限があれば、あの程度のガキなんていくらでも捻り潰せる。
あんなガキにお前が好き放題犯されるなんて、耐えられないんだ。
だから幸子、私に任せておけば悪い様にはしないから大人しく言う通りにしなさい。」
今度は、杉浦との関係を断たせる代わりに自分と【新しく性奴隷関係を結べ】という下劣な条件を提示してきた野田。
こんな事に町長という立場を利用するなんて、あまりにも醜悪すぎる。
しかし、野田の思い通りにはならないだろう。
確実に、この様子は盗撮されているに違いない。
気付いた時には既に遅く、誰よりも狡猾な杉浦が張り巡らせた糸からは逃れられないのだ。
そんな状況に陥っているなど知る由もない野田は、幸子の扇情的な色気に酔いしれ、堪らず淫攻を再開させた。
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