【16】
「あの女と出会ったのは、運命としか言えねぇよな。
あの生意気な顔と身体、思い出すだけで興奮するぜ。
それに、声は低いがそこがまたあの女に合ってやがる。
とにかく、あの女の全てが俺の好みだ。
あの生意気な女を滅茶苦茶に犯したら、どんな気分なんだろうな?
考えただけで疼いてくるぜ。」
伊藤は、股間をまさぐりながら言った。
ジャージの上からでも、狂暴な大きさが分かる。
こんな物で幸子が犯されたとしたら、僕は思わずそんな事を考えてしまった。
すると、伊藤はちゃぶ台の上に置いたビニール袋を掴み、中を覗き込んだ。
「・・・一応聞くが、これは本当にあの女の下着で間違いないんだな?」
僕は少しだけ躊躇したが、今更誤魔化せはしないと思い頷いた。
伊藤は、更に問い詰めた。
「もう1つ確認だ。
お前がこれを窓から放り出した後、あの女は洗濯を始めた。
つまり、これは・・・洗濯前の、脱いで間もない下着って事だな?
嘘はつくなよ、後悔するぞ!」
伊藤の脅迫に僕は逆らえるはずもなく、頷くしかなかった。
「・・・まさかお前、何かしたわけじゃないよな?」
伊藤は、僕を睨み付けた。
僕は、すぐに首を横に振った。
本当は、顔に押し付けて匂いを嗅いだなんて言えるわけがない。
もしもそんな事を言えば伊藤の怒りを買い、何をされるか分からないからだ。
僕が何もしていないのを確認すると、伊藤は幸子の下着を凝視し始めた。
そして、おもむろに下着を袋から取り出した。
その瞬間、伊藤の雰囲気が変わった事に僕は気付いた。
それはまるで獣の様な、言うなれば淫獣とでもいうのだろうか。
伊藤が、本性を剥き出しにした瞬間だった。
手に持っていた幸子の下着を、自身の顔に押し付けたのだ。
淫らというか下品というか、とにかく醜い光景だった。
伊藤は鼻息を荒くし、幸子の下着を貪った。
「ハァハァ、幸子~。いやらしい身体しやがって!
ハァハァ・・・こっ、ここに幸子のマンコがっ!」
伊藤は、パンティーのクロッチに鼻を押し付けた。
「うっ!すっ、すげぇ!
こんなっ・・・何だっ、この匂い!
こっ、これが幸子のマンコの匂いかっ!」
僕と同様、伊藤にも幸子のパンティーから強烈な女臭を感じ取れた様だ。
50歳にもなる男が女の下着に貪る様は、あまりにも異常だった。
しかし、幸子という女はそれほど狂わせてしまう魅力があるという事だ。
普通なら、中年にもなれば若い女を好む傾向があるものだ。
でも、幸子には幸子にしか無い大人の女の色気がある。
それも他の女には感じられない、幸子特有の性欲を刺激する色気だ。
伊藤の行為は醜いものだが、どうしようもないものだと納得も出来た。
僕は、しばらくこの異様な光景を見せられた。
だが、ようやく伊藤も興奮が抑まったのか、それとも忘れていた僕の存在に気付き我に返ったのか、幸子の下着から顔を離した。
「・・・ふんっ、今のをあの女に見せたらどんな顔をするんだろうな。
・・・それにしてもあのデカ乳、90もありやがる。
デカ尻も90か。全く、そんな身体じゃ犯してくれって言ってるもんじゃねぇか。」
下着のサイズを見て、伊藤は不気味に笑った。
すると、今度は下着をちゃぶ台の上に置いたのだった。
ブラジャーが奥、パンティーを手前に置き、伊藤はそれを眺め始めた。
「茶色ってのが何とも・・・。
いつも生意気な顔して、こんなの着けてやがったのか。」
伊藤も、この下着姿の幸子を想像して興奮している様だ。
しかし、一体いつになれば解放するのだろう。
伊藤の目当ては、幸子の下着なはずだ。
それを手に入れたのなら、もう僕に用は無いだろう。
それに、こんな所にはもう居たくなかった。
「・・・もう、帰ってもいいですか?
この事は、誰にも言わないので。」
幸子の下着を取られてしまい、秘密も知られてしまったが、それは伊藤も同じ事だ。
お互い、この件に関して他言無用なのは言うまでもない。
だが僕が帰ろうとすると、伊藤は呼び止めた。
「まぁ、待てよ。そんなに急がなくてもいいだろ?」
伊藤は立ち上がり、僕の目の前に来た。
「俺達は同志だ。もう少しゆっくりしていけよ。
それに、同志のお前に見せたいものもある。付いてこい。」
伊藤は、僕の返答も待たずに歩き出した。
もちろん、逆らえない僕は付いていくしかない。
居間から廊下に出ると、奥にある扉の前に来た。
伊藤が入ると、僕もそれに続いた。
伊藤が明かりを点けてすぐに気付いたのは、ベッドの存在だ。
それで、ここが寝室だという事は分かった。
ところが、次に何となく部屋の様子を見回した時だった。
壁に、何かが貼られているではないか。
その正体に気付いた瞬間、僕は思わず絶句した。
壁に貼られていたのは、写真だった。
問題なのは、その写真に写っている正体だ。
当然、写真に写っているのはここまでの話の主役、幸子だった。
しかもよく見ると、写真は部屋中に貼られていたのだ。
隙間無く壁に貼られているので、恐らく数百枚はあるだろう。
ここへ引っ越してからの約3年間、ずっと撮り続けていたに違いない。
そして、それら全てが隠し撮りである事も明確だ。
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