【111】
現在の時刻を確認する杉浦。
「・・・そろそろいいか。」
そう言った瞬間、杉浦の表情が醜悪に変化した。
「洋太、俺の言う通りにすればいい物が見れるぞ。
どうする?」
「えっ?」
杉浦の企みなど検討もつかないが、幸子に淫醜行為を仕掛けるのは間違いない。
正直、僕の心は激しく揺れ動いた。
僅かにある淫獣の血が、騒いでいるのだ。
しかし、この状況で幸子を弄ぶのは危険すぎる。
まさか、ここにいる男達の相手をさせるつもりでは・・・。
いや、そもそも夫の由英が居るのだからそんな事は許されない。
もしもそうだとしたら、僕は全力で止める。
「どんな事を考えているのか分からないけど、ここで何かをするつもりなら僕は反対だ。
おじさんだって居るんだよ。
いくら何でも、やり過ぎなんじゃない?」
少し強い口調で、杉浦を責めた。
もちろん、僕にそんな事を言う資格が無いのも重々承知している。
でも、僕が予想している凄惨な光景が行われるのであれば黙っているわけにはいかないのだ。
すると、杉浦は小馬鹿にした様に嘲笑った。
「お前、まさかこいつら全員に乱交でもさせると思ってないか?
さすがに、それは俺でも考えつかなかったぜ。
・・・まぁそういうのも嫌いじゃないけど、今回は違うな。」
とりあえず、僕の頭の中に浮かんだ最悪の状況にはならない様だ。
「それに、お前だって逆らえる立場じゃないだろう。
今までの事、全部幸子にバレてもいいなら別だけどさ。」
脅迫してくるのを分かった上で反抗したが、やはり幸子に知られてしまうのを想像すると何も言えない。
「・・・さっきも言ったろ?
俺は洋太に感謝してるんだ。
だから、今日わざわざお前を呼んだのも喜ぶと思ったからなんだけどなぁ。
でも・・・このまま大人しく帰るか、俺の言う通りにして最高のショーを見物するか、それはお前が決めていいぜ。」
どう足掻いても、僕の選択肢の中に杉浦を止めるという項目は無い。
だが、このまま帰る事は出来る。
そうすれば、淫醜行為を見なくても済む。
幸子に対して、最低限の義理は通せるはず・・・。
しかし、僕は帰るという道を選べなかった。
幸子が犯される姿を、目の前で拝める。
その光景を思い浮かべると、どうしても興奮が収まらないのだ。
結局、こうなる事が杉浦には分かっていたのだろう。
僕が動かないのを確認すると、蔑んだ笑みを見せながら近付いてきたのだ。
そして、僕に耳打ちしてある指示を出したのだった。
「・・・・・えっ、それってまずいんじゃないの!?」
「大丈夫だって、俺に任せとけ。
お前を、特等席で見せてやるぜ。」
杉浦に言われるがまま、僕は従うしかなかった。
※元投稿はこちら >>