【109】
「どうだった、俺のプレゼントは?」
「えっ?」
周りの賑やかな雰囲気が遠くに感じる程、一瞬で2人だけの空間になった。
「欲しかったんだろ?
親友の母親の下着。」
「ちょっ・・・いきなり何言って・・・。
聞こえるじゃないか!」
「誰も俺達の会話なんて聞いてねぇから、大丈夫だろ。」
確かに、周りは僕達の存在など気にしてはいない様だ。
とはいえ、こんな場所で突然切り出す話ではない。
動揺するのは、当然だ。
しかし、杉浦は構わずに話を続けた。
「盗んだ位だからな。
すげぇ興奮しただろ?」
僕は、思わず杉浦を睨んだ。
幸子の下着を盗んだ事は事実だが、少し腹が立ってしまった。
「おいおい、誤解するなよ。
俺は、感謝のつもりでお前にプレゼントしたんだぜ?
だってさぁ、お前のおかげだもんな。
幸子が、俺の物になったのって。」
杉浦が言いたいのは、全てのきっかけは僕が幸子の下着を盗んだ瞬間から始まったという事だろう。
皮肉とも思える発言だが、僕は何も言い返せなかった。
親友の母親に淫らな感情を抱き、挙句の果てに淫獣達の欲望を助長させてしまったのだから・・・。
杉浦は、無遠慮な会話を続けた。
「いやぁ、でもお前の気持ちはよく分かるよ。
あんな女が子供の頃から近くに居るなんて、刺激が強すぎだぜ。
そりゃあ、下着も盗みたくなるよな。」
幸子の作った料理を貪る様に食べながら、台所の幸子を視姦する杉浦。
その様子に、僕はどうしても懸念せずにはいられない不安を感じた。
一体、幸子をどれだけ酷使しているのか。
しかも、伊藤も黙ってはいないだろう。
やはり、連日に渡って犯し続けているに違いない。
幸子の身体的、精神的疲労は見た通り相当なものだ。
そして僕が何より危惧しているのは、伊藤に犯され続けていた昨年と幸子が同じ状態にならないか、という事だ。
あの当時の幸子は、明らかに精神的に追い込まれている様に感じた。
ましてや、今は晶も居ない。
子供の存在が、幸子の活力にもなっていたはずだ。
思い詰めて最悪の結論に至る、幸子に限ってそんな心配は無用かもしれないが普通なら耐えられるものではない。
僕は、杉浦にその事を問い詰めようとした。
だが、杉浦は全てを察しているかの様に僕が問い詰める前に話し出したのだ。
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