【93】
「・・・卒業式も、終わったみたいだ。
せっかく解放してやったのに残念だったなぁ、晶の卒業式見れなくて。
まぁ、でも・・・俺の卒業には立ち会えたんだから良かっただろ?
これで俺も晴れて男になったってわけだ、へへッ。
・・・幸子、これから毎日よろしく頼むぜ。」
杉浦は、身勝手で残酷な言葉を幸子に言い放った。
分かってはいたが、やはり杉浦は今後も幸子を犯すつもりだ。
伊藤の様に、昼夜を問わず凌辱するのだろう。
幸子は、再び無間地獄の様な苦しみを受け続けなければいけないのだ・・・。
「さて、それじゃあ俺はそろそろ帰るとするか。
他の奴等に、色々聞かれるのも面倒だからな。
・・・幸子、お前も早く帰った方がいいぞ。
卒業式も終わったし、もしかしたらここに誰か来る可能性だってあるんだ。
・・・・・こんな状態のお前を見つけたら、誰も放っておかねぇぜ。
それに、晶と鉢合わせしたくねぇだろ?
もう教室に戻ってる頃だから、逃げ出すなら今のうちだと思うけどな。」
自身は衣類を着ながら、疲労困憊の幸子へ話し掛けた。
更に、着終わった杉浦の淫醜な顔が画面いっぱいに映ったのを最後に映像が消えた。
どうやら、撮影の終了ボタンを押したらしい。
これが、卒業式の間に行われていた一部始終の出来事というわけだ。
僕達が教室に戻り、下校するまでの時間は15分程だったと思う。
幸子の車が駐車場に無かったのを確認したのは、下校時だった。
そうなると、幸子は15分の間に衣類を着て学校を後にした様だ。
卒業生の親達は既に帰っているだろうし、もしも親達が残っていても幸子が居るのはB棟だ。
人気の無いB棟から外に出れば、誰にも会わずに車に乗り込めるかもしれない。
ハイヒールもある事だし、恐らくだが幸子は玄関に向かわずB棟から脱出したのではないだろうか。
あの状態で急いで移動した幸子の心情を考えると、居た堪れない気持ちになる・・・。
とはいえ、結局は僕が全ての元凶なのだ。
伊藤の時は僕が幸子の下着を盗んでしまい、事態が急速に悪化した。
今回の杉浦は、幸子が犯された映像が収められたディスクを厳重に管理していなかった事で全てバレてしまい、更に最悪な結果となった。
どちらも、僕が不用意な行動をしなければ防げていたのだ。
もちろん、伊藤も杉浦もいずれは幸子を犯していたかもしれない。
だが、幸子がまた淫獣に犯されてしまった原因は間違いなく僕だ。
そして、幸子には杉浦に犯され続ける日々が待っている。
暗闇の中、僕は幸子が犯された映像を見ながら何度も果てたが、冷静になった今はやはり罪悪感に苛まれずにはいられなかった。
しかも、これからは晶も不在になる。
由英さえ居なければ、何の弊害も無い。
幸子を凌辱する機会が、ますます増えるだろう。
僕は、親友の母親を再び地獄に堕としてしまったのだ・・・。
深夜から映像を見始め、約3時間が経った。
外は、既に夜が明けようとしている。
憂鬱な想いを隠す様に、僕は布団に入って眠りについた。
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