【69】
「・・・あのさぁ、そんなの関係無いんだよ。
仕方無いじゃん、あんたの事考えただけで興奮しちゃうんだからさぁ。
むしろ、悪いのは俺じゃなくてそっちだろ?
その顔と身体がエロすぎるから、俺たち男は我慢出来ないんだよ。」
開き直った発言だが、杉浦の言う通りだと思った。
幸子は、無意識の内に男の理性を狂わせる魅惑的な女なのだ。
そして、ここまで経緯を語ってきた杉浦も、そろそろ限界を迎えた様だ。
「さて、ちょっと話が長過ぎたかな。
俺は、あんたと会話を楽しむ為にここへ呼んだわけじゃないんだ。
・・・もう9時半か。
卒業式が終わるまで、あと2時間ぐらいだな。
・・・どうする、おばさん?」
杉浦は、幸子へ問い掛けた。
「俺はさぁ、おばさんを卒業式に行かせたくないわけじゃないんだ。
満足したら、解放する。
考えるまでも無いと思うんだけど?」
あまりにも身勝手な要求に、幸子も言い返した。
「ふざけないでっ!
あなたがやろうとしている事は犯罪よ!
馬鹿な真似は止めなさい!
それに、あなたの母親だって卒業式に来てるんでしょ!?
きっと、あなたが居なくて心配してるわ!」
「残念だけど、俺の母親は来ないよ。
あの人は、俺の事に無関心だから。
まぁ、俺もそうだけど。
・・・そんな事で俺の気が変わると思ったら、大間違いだよ。
あんたに出会った時から、こんな日が来ることを待ち望んできたんだからね。」
杉浦の幸子に対する淫欲度は、尋常なものではない。
「・・・さぁ、どっちか選んでよ。
俺を満足させてくれるのか、それとも今すぐ卒業式に向かうのか。
もちろん、勝手にここから出て行けば・・・どうなるか分かるよね?
この動画、晶に送っちゃおうかなぁ。
あっ、そんな回りくどい事は止めて体育館にいる皆に見てもらった方がいいのかなぁ。」
卑劣極まりない言葉で、幸子を追い詰める杉浦。
幸子は窮地に立たされた状況に、ただ杉浦を睨み付ける事しか出来ない。
杉浦は、とどめの一撃を放つ様に言った。
「さっきも言ったけどさぁ、満足したらすぐにでも解放するよ。
俺は、伊藤みたいに無理やり犯すとか酷い事はしたくないんだ。
・・・・・あっ、それとも・・・中出しされるのが嫌だとか?
だとしたら、その心配は要らないよ。
俺を、あんなクズ男と一緒にしないでほしいなぁ。
そこまで最低な事はしないから、安心して。
何度も言うけど、俺を満足させてくれたら解放する。
絶対に、約束するよ。
晶の卒業式、見たいんでしょ?」
杉浦は、絶体絶命の中に僅かな光明を示した事で、幸子の選択肢を完全に1つに絞らせた。
もう迷う事すら許されないのは、幸子も分かっている。
「・・・・・本当に・・・約束、守りなさいよ。」
幸子の観念した言葉を聞き、杉浦は勝ち誇った様に返した。
「あぁ、もちろんだよ。
じゃあ・・・・・交渉成立だね?」
この瞬間、杉浦の理不尽な淫醜行為に幸子が応じる誓約が締結した。
僕は、杉浦に裏切られた事に対する怒りがある一方で、伊藤の時と同様の隠しきれない興奮を感じていた。
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