着替えし頭の中はさっきの下着でいっぱいになりながら冷蔵庫からビールを取り出し一気に半分程呑む。
リビングのソファーに腰掛け、脱衣所での事を再び考えながら妻に目をやる。
ーまさかな。浮気なんて事は。ー
セックスレスにはなったが仲が悪いとは思った事の無い夫婦仲。モヤモヤとしながらも缶ビールを2本呑み終えた頃。
ー念の為ね。ー
と思い、2人の寝室のある二階に向かう俺。
綺麗になってるベッド。空のゴミ箱。
いつも通り寝る前の状態であった。
もしこれでベッドが乱れていたり、ゴミ箱に大量のティッシュが入っていたら黒と思ったのだが、いつも通りの状態に安堵感が込み上げる。
ーほらな、考え過ぎだ。何もあんな下着があったからといって。ー
妻の浮気を少しでも疑った自分が情けなくなる。
一階に戻ろうとした時、寝室の隣にある妻の部屋(着替え等はこの部屋で行う)に目がいく。
カチャッ…
静かに扉を開け中を見る。
痩せる為と言って買った筋トレ器具数点と妻専用のタンス。
それ以外は無い殺風景な部屋でもある。
何となく、タンスの中身を確認する。
一段目…妻がいつも身につけている下着が入っていた。
二段目……俺の動きが止まる。
先程洗濯機で見た上下セットの色とりどりの下着が目の前に現れる。
赤。白。中にはヒョウ柄。若い時ならいざ知れず…ここ最近は見た時も無い下着の数々。
急に鼓動が大きくなるのが自分でもわかった。
ーなんだ。この下着。ー
一際目がいったのが下着と呼ぶには相応しく無い、紐の様な下着が見える。
心臓が脈打つ感覚がわかる。
ー嘘だろ?何だよ。これ。ー
ゆっくりとタンスを閉め。若干冷静を失いながらも一階に戻る。自然と3本目のビールを空け半分ぐらい一気に呑む。
妻「珍しいわね。こんな時間からそんな呑んで笑」
俺「あぁ、たまにはね。」
若干震え気味の声で返す言葉。
その日は下着を発見し動揺した為か酒が進み珍しく家で酔いつぶれ早めに寝てしまった俺。
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