途中、黒崎に電話がかかってきたため彼が席を外す。
敬亮は、彼がある程度離れるのを待ってから結唯に聞いた。
『彼、どうだ?』
「うん、、素敵な人ね」
『気に入ったかい?』
「ええ」
『それは良かった。今夜は彼にたっぷり可愛がってもらいなさい』
結唯は無言のままコクリと頷き、窓の外に視線を移した。
黒崎が電話を終えて戻ってきた。
敬亮は彼を迎えるように席を立ち、部屋へ行こうと誘う。
ラウンジを出た後、敬亮がチェックインのためカウンターに向かう。結唯と黒崎はロビーの少し離れたところで待つ。結唯の隣に立つ黒崎。結唯の目線の高さには黒崎の赤いポケットチーフがあった。
上階へと向かうエレベーター内には、期待と少しの緊張感が漂っていた。
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