どれぐらいの時間そうしていただろうか。
夢と現実を行き来していたような、不思議な刻の流れを結唯は感じていた。長かったのか短かったのか、そんなことはどうでもよかった。結唯は多大なる幸福感で満たされていた。
気がつけば既にアナルからはペニスが抜かれていた。ポッカリと空いた口が、それが現実であったことを物語っている。
敬亮が黒崎の耳元で“あとは貴方のお好きなように...”とだけ囁いて窓際のソファに戻る。黒崎の上には放心状態のまま満足げな表情を浮かべる結唯の身体がある。黒崎は結唯をそっと抱き抱え身体を起こし、繋がったまま結唯を仰向けに寝かせ反転する。
力無くぐったりと横たわる結唯に覆い被さり正常位で動き始める。やや萎え気味だった黒崎のペニスも息を吹き返し、徐々に元の固さを取り戻していく。もはや人形のように手脚をダラリとさせたまま、黒崎のピストンを受け入れる結唯。その無感情さに黒崎は哀しさとともに苛立ちにも似た感覚を覚えた。人形、とりわけダッチワイフだというのなら、それ相応に扱わねばならない。黒崎の苛立ちは激しいピストンとなって独り善がりの快感を得ようとする。紳士を装う黒崎の本性はただの雄獣でしかなかった。否、男など皆そうなのかもしれないが。
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