まだ仕事に慣れないエリ。不安な点、ちょっとした疑問があると、俺に電話での指示を仰ぐ事が多かった。どうしても仕事上の接点は多くなった。
あの未遂からしばらく経ったある日。いつものように、電話でエリからの業務上の相談だったが、それが終わると、
「今度、旦那さんが1週間出張でいないんだけど、遊びに来れませんか?」
と言ってきた。月間の予定表を見ながら
「いいですよ」
と本能的に答えていた。ちょうどその週には彼女のいるオフィスに行く予定があったから都合はいい。
とりあえず了解はしたものの、電話を切ると、冷静になった頭は、彼女の意図が図りかねた。確かに先に手を出したのは俺なのだが・・。あの程度の未遂で、家に呼ぶのか?。マタニティブルー?。酒飲んだら、どうなる?どうする?・・その程度の想像は彼女だってするだろう。どこに泊まる?。車はどうする?。自問自答した。新婚だぞ、妊婦だぞ。不倫確定で相手の家に行くリスク。素面の俺は少し困惑した。
ただ一方で、男の妖しい欲望がまた頭をもたげていた。誘われたとはいえ、旦那のいぬ間に家に行くスリルと背徳感。今まで経験したことの無い興奮を覚えた。
結局、自分の中の男の欲望を拒みきれず、その場の流れに任せる事にした。
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