初めての練習試合が組まれたのは、僕と姉が参加をして20日後の日曜日のことでした。場所は僕らのグランドでした。午後10時プレーボール。
もちろん、部外者の僕が参加をする必要もないのですが、家が近いこともあり、見学に向かったのです。
いつもの金網越しにグランドを見ると、すでに相手チームも来られていて、一緒に練習を始めていました。
相手チームには、ガッシリとした体格のママさんが多く、『こりゃ~、強そうだ…。相手にならんかも…。』と、僕でも思ってしまうのです。
試合が始まりました。先発は僕の姉です。しかし、いきなりの強烈な打球に、『あかん、抜けた…。』と覚悟をします。
ところが、吉岡さんの見事なグラブ捌きで、初めてのアウトをとるのです。続くバッターも強烈な打球を打ちますが、レフトフライ。
三番バッターの強い当たりも、またまた吉岡さんが捌いて、なんとなんとの三者凡退。最高のスタートをきるのです。
しかし、見せ場はここまででした。相手投手は打てない。頼みの姉もその後に捕まり、結果は『0ー11』。正式なルールなら、コールド負けのところです。
両チームの挨拶が終わり、そこに一人泣いている選手を見掛けます。『練習試合なのに泣くなよぉ~。』と思って見ていたのは、僕の姉の姿でした。
見事に打ち込まれてしまった責任を、姉は感じてしまったのでしょう。一人、悔しそうに涙していました。
そんな姉に駆け寄っていたのは、吉岡さんです。姉を慰め、最後には抱き締めてくれていました。
相チームが去り、グランドで練習が始まりました。30分程度、練習をして終えるようです。その時、監督の清水さんと目が合います。
しかし、この日は僕に何も言いません。やはり、負けた選手のことを思っているようで、この日は部外者には入って欲しくないようです。
僕もそれが分かり、そのまま自宅へと戻るのでした。
家に帰ると、姉の二人の子供が、うちの母に甘えています。『ユウくん、ママ勝った~?』と聞かれ、『負けたよ。』と返事をしてあげます。
しかし、よく分かってないようで『ママ、勝ったぁ~?ママ、勝った~?』と何度もしつこく聞いて来るのでした。
練習は30分程度で終わるものと思ってしました。しかし、姉はなかなか帰っては来ません。
仕方なく、一時間後にもう一度グランドへ戻りますが、そこには誰の姿もなく、子供達がサッカーをして遊んでいます。
『姉貴、どこ行ったんやぁ~。』と思いながら、再び僕は家に戻るのでした。
その頃、姉は吉岡さんと一緒でした。『彩ちゃんぁ~、もっと気持ちよくしてぇ~!…、』と、彼女に身をゆだねていたのです。
試合での惨敗を『自分のせい』と背負い込んだ姉は、半ば投げやりになってしまっています。
それを癒してくれるのは、やはり吉岡さんだったのです。彼女の手が、口が、そしてバイブが姉の身体を慰めてくれていたのです。
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